各所で話題になっていたので。
なんと息苦しい作品なんでしょう。毒にはなり得るけど、薬にはならない。感動もしなかった。でも、面白くないわけじゃない。音楽ってこんなに素晴らしい!なんて思わせる話でもなく、感動する人間ドラマでもない。努力は必ず実るよ!でもないし、努力が素晴らしい!でもない。だって、結果が良いか悪いかは、全部フレッチャーが決める。
このジジイがマジで手ごわい。優しくしといて、体罰与えて、ちょっとしおらしくなったかなと思いきや、最後の最後までジジイはジジイ。もはやサイコパス。ラストのラストの本当にラスト、やっと同じ土俵に上がれたかな(主人公も我々も)という感じ。「だから何なんだよ!」と思う人もいるかも。でも、面白いと感じてしまったのは、なぜだろうなー。
フレッチャーが魅力的だからか、主人公の調子に乗る性格に自分を重ね合わせてしまうからか…やっぱ最後の最後の演奏シーンなのかな。
主人公のライバル的立ち位置の学生が「フレッチャーは口が悪いだけ」って言ってたけど、そう思えるのは幸せなことなんだろうなー。主人公も客もその魅力に引き寄せられてしまう…これDVから逃げられない心理に近いかな…
主人公の「調子に乗ってると痛い目合うよ…ほら、そこでにやけちゃだめだよ…にやけてんじゃねーよ!」っていう雰囲気が、またいい感じでした。ホラー映画で「そこで気抜いちゃだめだよ…後ろからくるよ…ほらきたよ!!!」っていう怖さと同じ。
ただ彼女の切り方とか、最後の振り切って勝手やっちゃう感じとかは思い切りがあって良かった。
また半年後とかに見直すかな…サントラは欲しい!ジャズドラムに興味でてきたー
あと、昔見た「4分間のピアニスト」(http://samurai-girl.jugem.jp/?eid=1635#sequel)を見返したくなった。